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  • Mitsunaga Takaya

「広告マン」という土俵を降りる。



業務内容については触れません。表舞台と裏方と、マスとストリートと、広告圏の外に出た(元からいなかったのかも)キャリアを通じて得た気づきが同世代や後輩の参考になればです。



広告業界という土俵



広告業界がある種聖域のように、脚光を浴びていた時代があったと様々な先輩達から話を聞く。マスメディアだけでなくSNSで誰もが発信をするようになり、皆が「クリエイター」を語る今。「クリエイティブ」という言葉が飛び交い

広告が悪者のように扱われ出したのを悲しんでる同期や後輩もいる。倫理観を無視した炎上マーケから陰謀論までネットを開けば虚しい話題が多い1年だった。



広告というスキル



個人的には広告って嫌われようがどうしようが、どっちでもいいんじゃないって思う。斜に構えたいわけではなく「広告」は元々目的じゃなくて「スキル」の一つだったはず。人や企業の運命を変えうる特効薬にも、時に依存性のあるドラッグにもなりうるもの。「クリエイティブ」というデカワードが民主化されてくことも大切。(※にしても気になるところもある。)(※クリエイティブを作るって日本語ヤバイ)ただいつの時代でも、正しい処方をするプロが必要がなのは不変だということは、広告経済圏から出て様々な人と会話するほどに日々感じている。




板挟みではなく、引っ張りだこ。


もちろん一般論として体力勝負と言われがちな業界でもあり、身心共にハードな業務もある。でもその中で世論・規制・様々な事情に「挟まれて」心をすり減らしてるだけでなく、「引っ張られて」拡張したからこその特殊な筋肉やスキルは存在する。どこでも育つスキルじゃないからこそ、時に一人では到達できない目標を手繰り寄せることができるのだと思う。




KPI至上主義



事業を立ち上げてから2年近く。いわゆる広告業務から遠ざかり、日々命を削る経営者やアーティスト達と時間を共に過ごしていると、デジタル領域で叫ばれている「売上・コンバージョン・KPI達成」を追い求めているというだけでは

説明できない熱量で生きている人達が、自分の友人たちをはじめとした身の回りや広告経済圏の外に沢山いることに気づく。




夢を叶えるというKGI。



自分の身の回りにはこんなことを掲げながら生きている素敵な方々がいる。


「ダンサーが食える未来を。」「国際的なエンタメコンテンツを。」「後世に残る歴史的な作品を。」


こんなことを言いながら仕事をし、毎日より良いものを生み出そうと、彼らが日々追いかけているのは「売上」のようなKPIではなく「夢」というゴールだった。かつてパフォーマーだった自分が、一人ではできない夢を叶えるために、わざわざ広告会社に入った理由を、思いださせてくれた。面接で言った「ブロードウェイを作りたい」「技術のあるアーティストが食える日本を作りたい」残したいものを守るために、その夢を叶えるために、入ったんだった。




声を上げながら手を動かす。



そんな素敵な夢追い人はいつも不器用だったりする。モノづくりに没頭する職人的なアーティストや、リソースを開発に全振りするベンチャーすぎな会社も沢山ある。どれだけ良いものでもきちんと声を上げないと残せないし消えていってしまうこんな時代だからこそ、声を上げながら手を動かす。伝えながら前に進む。良いと言ってもらえる、伝わるものを一緒に作る。良いものを、良いと言う。シンプルで素敵な仕事を沢山していきたい。



土俵から降りる前に。



何者でもない自分がこんな主語の大きな文章を書き野暮なことは自覚している。それでも世の中どうなるかわからないから、自分も声を上げながらもちろん誰よりも手を動かしながら、今年は前に走る。そしてこの土俵に戻らないために自分への戒めとして言語化しておく。何者でもない自分ですら数千人に馬鹿にされた夢も叶えることができた。


仲間の夢を叶えて泣きながら感謝されたこともあった。クライアントや生活者から身に余るありがとうをいただいたこともあった。才能がなくても何者でもなくてもこのスキルは手に入るし素晴らしいということを、これからも証明していきたい。そして広告を作る気がなくても広告会社にいる同年代や後輩に素敵な学べることはあるよ〜と、一人のサンプルとして伝えたい。




これから



こらからの土俵は、テクノロジーでエンターテインメントの未来を設計していく事業。大好きなエンタメを次世代に残すために、そして世界に解き放つために、公私で培ってきたスキルを注ぐ。エンターテイナーでありアーティストであり、経営者でもある、誰にも規定されない生き方をこれからもしていきたい。「クリエイティブ」ぽいことを語る思想家になりたいわけではなく、手を動かして作り続けるしかつ声を上げながら前に進んでいきたい。


今年はいくつかの新たな挑戦を行います。一緒に新たなエンタメを作っていく企業さんもそして一緒に働いてくれる仲間も探してます。気になる方はご連絡いただけると嬉しいです。新年の始業前夜に書いた駄文を読んでいただきありがとうございました。本年もどうぞよろしくお願いします。

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満永 隆哉 / Takaya Mitsunaga a.k.a. mic™️
Cultural Architect, Director, Artist.

1991年生まれ、千葉県出身。12歳の時に訪れた海浜幕張駅前のストリートバスケットボールコートにて、音楽やパフォーマンスカルチャーと出会い影響を受ける。大学進学後に休学、国内外でのパフォーマー生活を経て2015年に総合広告代理店に入社。平日はクリエイティブ職として制作業務に従事しグローバルクライアントのコピーライティング・PR・プロモーションを担当する傍ら、金曜深夜から休日はパフォーミングアーティスト兼演出家として活動する5年の二重生活の後、HYTEK Inc.を創業。​​メディアアート・コピーライティング・イノベーションなど様々な領域のアワードを受賞し、アメリカNBA公式戦、TEDx、TV等、様々なイベント・メディアにも出演。表舞台と裏方と、マスとストリートとを全て繋ぎ合わせ、日本の才能が活躍できる未来を作ることを目標に掲げる。

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